一人事務がつらいのは甘えじゃない|採用担当が教える限界サインと3つの出口
今日も休めなかった人へ。
電話も来客も請求書もひとりで受け止めて、「みんなこうなのかな」と検索した夜かもしれません。

事務は私ひとり。休むと会社が止まる気がして、有給を取れたことがありません。
その気持ちに、先に答えを書きます。
一人事務がつらいのは、あなたの性格や能力ではなく、事務がひとりで回る前提の設計に無理があることが多いです。

私も、事務が実質ひとりになった時期が何度もありました。まず「つらさの正体」を分けていきましょう。
私は事務職15年で、書類選考から面接まで担当する採用担当も兼務しています。
求人票を書く側から見ると、一人事務の求人には2つの種類があります。
- 前任者が辞めた穴を、仕事量そのままに1人で補充する求人
- 本当にひとりで足りる仕事量として設計された求人
つらいと感じている人の多くは、前者の職場で働いているようです。
出口は3つあります。
- 続けながら楽にする(手順書・休んだ日の代替・社外の相談先・優先順位)
- 限界なら、目安を決めて辞める判断をする
- 次は一人事務を避けて、複数人体制の職場に移る
- 一人事務がつらい7つの理由と、採用担当の見立て
- 「一人事務が無理をしている職場」を採用側が見抜くサイン
- 続けながら楽にする4つの工夫と、辞める判断の目安
- 次の職場で一人事務を避けるための求人票の注意点と面接の質問
- 私が事務を実質ひとりで回した時期の話
この記事では、つらさの正体と3つの出口を、採用担当の目線で紹介しますね。
一人事務がつらい7つの理由

一人事務のつらさには、はっきりした型があります。
まず、自分がどれに当てはまるかを眺めてみてください。
各項目を「読者の感じ方」と「採用担当の見立て」の2つの視点で見ていきますね。
①休めない(自分が休むと止まる)

熱があっても出社します。私が休むと電話も振込も止まるので、休む選択肢がありません。
休めないのは、あなたの責任感が強すぎるからではありません。
「休んだ日の代わり」が会社側で決まっていないことが原因である場合がほとんどです。
- 代わりの人を決めるのは、本人ではなく会社の仕事
- 「休んだ日に誰が電話を取るか」が決まっていない職場は、休めない構造になっている

代わりを用意するのは会社の役割です。自分で背負い込む前に、あとで紹介する「休んだ日の代替を上司に決めてもらう」を試してみてくださいね。
②聞ける人がいない

分からないことがあっても、社内に事務の先輩がいません。ネットで調べて、合っているのか不安なまま処理しています。
事務の仕事は、「前例をどう処理したか」を知っている人がいるかどうかで難しさが大きく変わります。
聞ける人がいない職場では、調べる時間と不安の両方をひとりで抱えることになります。
- 税理士・社労士・本社の担当者など、社外の相談先を持っている一人事務は安定している
- 「誰に聞けばいいか」が決まっていないこと自体が、職場側の未整備
③ミスの責任が全部自分

チェックしてくれる人がいないので、振込の金額を3回見直しても怖いです。
ダブルチェックがない環境で、緊張が続くのは責任を理解している証拠です。
ただ、確認を自分ひとりで完結させる仕組みは、長く続けるほど消耗します。
- 振込や請求は「作る日」と「送る日」を分けるだけで、自分ひとりでも見直しの目が変わる
- 金額が大きいものは上司の承認を手順に入れると、責任が分散される
④何でも屋になる(仕事の境界がない)

経理も総務も来客もお茶出しも、気づけば全部「事務さんお願い」になっています。
一人事務は、「事務」と名のつくもの全部の受け皿になりやすい立場です。
これは向き不向きではなく、会社が仕事の範囲を決めていないという「設計」の問題です。
- 求人票を書く側の実感として、「幅広い業務」「庶務全般」は仕事の範囲を決めきれていないときに使いやすい言葉
- 入社後に「聞いていない仕事」が出やすいのは、この型の求人
何でも屋のつらさから「事務に向いてないのかも」と感じる人は、事務に向いてない?8つの特徴と対処法も読んでみてください。
⑤引き継ぎがないまま始まった

前任者は私が入る前に退職済み。マニュアルは付箋数枚で、電話で聞くこともできません。
引き継ぎがない状態で始まった一人事務は、最初の1年をずっと「初めての処理」で過ごすことになります。
年に1回しかない手続きに毎回ゼロから向き合うのは、経験者でも消耗します。
- 引き継ぎは、月次の締めを一度は一緒に越えられる長さが目安
- 前任者が退職済みで引き継ぎゼロの募集は、会社が事務の重さを軽く見ている可能性がある
⑥月末月初・決算期の山をひとりで越えるのがきつい

月末は請求書、月初は振込と給与、そこに来客と電話。息をする暇がないまま夜になります。
事務の仕事量は毎日一定ではなく、月末月初と決算期に山ができる構造です。
複数人の事務なら分け合える山を、一人事務はひとりで越えることになります。
- 月末だけ他部署が電話を取る、決算期だけ派遣を入れるなど、山の時期に手を借りる仕組みがあるか
- 山を毎回ひとりで越えている職場は、本人の頑張りで設計の穴を埋めている状態
⑦突然ひとりになった(同僚の退職・産休)

先輩が急に辞めて、事務は私だけになりました。先輩の仕事の中身も分からないまま、毎日締切に追われています。
最初から一人事務だった人より、複数人体制が崩れて突然ひとりになった人のほうが、つらさは大きいことがあります。
自分の仕事に加えて、辞めた人・休んだ人の仕事を「知らないまま」引き受けることになるからです。
- 欠員が出たとき、会社が補充の募集をすぐ出しているかどうかで先が変わる
- 「落ち着いたら募集する」と言われたまま時間が過ぎている職場は、一人事務が固定されつつある状態
この経験は私自身も何度も通った道なので、あとで体験談として書きますね。
属人化は、あなたの職場だけの話ではありません。
- 特定の担当者しか分からない業務がある:87.2%
- 業務を1人で担当している人:6.8%
株式会社アイルの「バックオフィス業務実態調査」(2026年6月)では、87.2%が「特定の担当者しか分からない業務がある」と回答しています。

「私が休むと止まる」は、あなたが特別に弱いのではなく、多くの職場で起きている構造です。まず、そこを自分のせいにしないでほしいです。
採用担当が見る「一人事務が無理をしている職場」のサイン

ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
同じ「一人事務」でも、無理をしている職場と、ひとりで足りる職場があります。

求人票を書く側の目線で、その違いを分けていきますね。応募前の人も、いま働いている人も使えます。
一人事務の求人が出る2つの理由(欠員補充か・ひとりで足りる設計か)
一人事務の募集が出る理由は、大きく2つに分かれます。
- 欠員補充:前任者が辞めて、仕事量はそのままに1人を募集する
- ひとりで足りる設計:小規模で仕事量が少ない、または外注や本社と分担している
つらいと感じやすいのは、欠員補充のほうの一人事務です。
前任者が「ひとりで回していた」実績があるため、会社側は仕事量を見直さずに募集を出しやすいからです。

うちは前任者が辞めてすぐの募集でした。仕事量は前任者と同じで、引き継ぎは1週間でした。

それは典型的な欠員補充型です。つらいのは「あなたの慣れが遅い」からではなく、設計が前任者の頑張り前提になっているからですよ。
無理をしている職場のサイン4つ
採用担当として求人票や面接を見てきた範囲で、無理をしている職場に共通するサインを4つ挙げます。
- 前任者の退職理由が語られない
- 引き継ぎ期間が2週間未満
- 求人票に「幅広い業務」「少数精鋭」「急募」が並ぶ
- 相談先(上司・本社・税理士や社労士)が決まっていない
2つ以上当てはまるなら、あなたが弱いのではなく、職場側の設計が追いついていない可能性が高いです。

「少数精鋭」は聞こえがいい言葉ですが、事務については「事務がひとり」の言い換えになっていることがあります。
採用側の実感:欠員補充の一人事務は「聞いていない仕事」が出やすい
私が採用側で見てきた範囲では、欠員補充で入った一人事務ほど、入社後に「聞いていない仕事」が出やすい傾向があります。
前任者が個人の工夫で回していた部分は、求人票にも面接にも出てこないからです。
- 担当者の退職・休職で業務の継続に影響があった:82.6%
- 出典:kubellパートナー「バックオフィス業務の効率化に関する実態調査」(従業員300人未満の企業対象・2026年4〜5月実施)
kubellパートナーの調査(2026年5月)でも、担当者が抜けたときの影響の大きさが数字で出ています。
つまり、一人事務が休めない・辞められないのは、会社側の体制の問題として、企業自身も課題に感じている段階なんです。

会社側も困っているなら、改善をお願いしてもいいんですね。

はい。「わがまま」ではなく「業務継続の相談」として伝えると、通りやすくなりますよ。
私が事務を実質ひとりで回した時期の話

ここからは、私自身の話です。
事務職を長く続けていると、事務が実質ひとりになる時期は一度ではなく、何度も訪れました。
同僚の急な退職・産休で、事務が私ひとりになった
同僚の急な退職や産休で、複数人だった事務が実質ひとりになったことが何度もあります。
産休のときは、事務は私ひとりでした。
自分の仕事に加えて、いなくなった人の仕事も引き受けることになりました。
会社が止まらないようにすることを、いちばんに考えていました。

まさに今の私です。先輩が抜けた穴を、私ひとりで埋めています。
休めなかった。遅くまで残業して請求書を出した
いちばんきつかったのは、休めなかったことです。
休めませんでした。
遅くまで残業をして、請求書を出すこともありました。

あの時期の私に声をかけるなら、「頑張りが足りないんじゃなくて、人が足りないんだよ」です。
乗り切り方は2つだけ:優先順位と「事務以外の人に頼む」
乗り切り方は、特別なことではありませんでした。
- 優先順位を決めた
- 事務以外の人にお願いできることは、お願いした
全部を自分でやろうとするのをやめて、「今やること」と「人に渡すこと」を分けただけです。
この2つが、あとで紹介する「続けながら楽にする工夫」の土台になっています。

事務以外の人にお願いするのは、気が引けます。

一人事務の仕事は「事務さんの仕事」と決めつけられがちですが、会社を止めないための分担は、わがままではありませんよ。
採用担当になった今、あの時期をどう見ているか
その後、「あなたが入社してくれて本当に良かった」と言われました。
他の人の仕事まで引き受けて会社を止めなかったことは、評価されました。
ただ、採用担当になった今は、その状態を長く続けさせてはいけないことも分かります。
事務がひとりになる時期は、事務職を続けていれば繰り返し起きる「構造」の話です。

頑張って乗り切った経験は誇っていいです。同時に、「乗り切れてしまう人」ほど会社が設計を直さなくなる面もあるので、このあとの工夫で自分を守ってくださいね。
続けながら楽にする4つの工夫(属人化を減らす)

つらさの正体が「設計」だと分かったら、次は自分でできる範囲で設計を直す番です。
今日から手をつけられるものを4つ選びました。
①手順書は「日次・月次・年次」に分けて1枚ずつ作る
やることは、手順書を日次・月次・年次の3枚に分けることです。
分厚いマニュアルを作ろうとすると、忙しい一人事務は途中で止まります。
- 日次:電話の取り次ぎ先、郵便物の仕分け、入金確認の見方
- 月次:請求書の発行日と送り先、振込の締め、給与の締め日
- 年次:年末調整、決算資料の提出先、更新が必要な契約
各行の右端に「困ったときの問い合わせ先」を書いておくと、あなたが休んだ日に誰かが動けます。

手順書は自分を守る書類です。「引き継ぎ資料を作っている」と上司に見せておくと、あとで休みや退職を伝えるときにも話が早くなりますよ。
②「私が休んだ日の代替」を上司に名前で決めてもらう
2つ目は、休んだ日に誰が何をするかを、名前で決めてもらうことです。
「何かあったら誰かがやる」という口約束では、結局あなたは休めません。
- 「私が急に休んだ日に、電話と入金確認だけは止まらないようにしたいです。担当を決めていただけますか」
- 「月末の請求書だけ、私が休んだ場合の代わりを決めておきたいです」
「休みたい」ではなく「業務を止めないための相談」として伝えるのがコツです。

その言い方なら、上司も断りにくそうですね。

採用担当の実感でも、「業務継続」の言葉で伝えてくる人の要望は通りやすいです。会社の困りごとと同じ方向を向いているからですね。
③外の相談先を持つ(税理士・社労士・本社担当・こころの耳)
3つ目は、社内に聞ける人がいないなら、社外に作ることです。
一人事務が抱える質問の多くは、社内の人より社外の専門家のほうが正確に答えられます。
- 経理・税金の処理:顧問税理士(事務担当から直接聞いてよい場合が多い)
- 社会保険・労務:顧問社労士、または年金事務所・労働基準監督署の窓口
- 本社や親会社がある場合:本社の総務・経理担当
- 心の疲れ:厚生労働省のこころの耳の相談窓口
「聞いてよいのか分からない」ときは、上司に「税理士さんに直接確認してもよいですか」と一言もらっておくと安心です。
④優先順位の1枚(今日やる・今週やる・来月でいい)
最後は、仕事を「今日・今週・来月」の3つに分けた1枚を作ることです。
一人事務がパンクするのは、仕事量そのものより「全部が今日の仕事に見える」ことが原因である場合があります。
- 今日やる:締切が今日のもの、電話の折り返し
- 今週やる:今週中の請求・振込、上司からの依頼
- 来月でいい:ファイリング、手順書の追記、備品の整理
「来月でいい」に入れた仕事は、その日はやらないと決めるのが大事です。
頼まれごとが重なるとパンクしやすい人は、マルチタスク診断(無料・10問)で自分の進め方の型と対策を確かめられますよ。

「来月でいい」を決めていいんだと思ったら、少し息ができました。

全部を今日やらなくて大丈夫です。優先順位を決めるのは、私が一人事務のときにやった工夫のひとつです。
それでも限界なら|辞める判断の目安

工夫を試しても、設計そのものが変わらないこともあります。
そのときは、辞めるか続けるかを、感情ではなく目安で決めることをおすすめします。
限界サイン3つ(体調・休めない日数・改善要求が通らない)
まず、限界のサインを3つ挙げます。
- 体調:眠れない、食欲がない、休日も仕事のことで頭がいっぱいになる
- 休めない日数:有給を1日も使えないまま半年以上たっている
- 改善要求が通らない:代替や補充を頼んでも「落ち着いたら」で先送りされ続けている
体調のサインが出ているなら、切り分けより先に休むことと相談を優先してください。

心や体に不調が出ているときは、医療機関や厚生労働省のこころの耳に相談してくださいね。判断は、その後で大丈夫です。
辞める前の手順:改善要求→期限を切る→判断
辞めると決める前に、改善要求→期限→判断の順で進めると、後悔が減ります。
- 改善要求:「休んだ日の代替」と「欠員の補充」を、業務継続の相談として上司に伝える
- 期限を切る:「3ヶ月以内に補充の募集が出るか」など、自分の中で期限を決める
- 判断:期限までに動きがなければ、環境を変える準備を始める
この順番を踏むと、辞めるときも「改善を求めたが変わらなかった」と面接で説明できます。
採用担当として聞く側になると、改善を求めた経緯を話せる人は、次の職場でも信頼されやすいです。

辞める理由を「一人事務がつらかった」とそのまま言っていいんでしょうか。

「一人体制で代替がなく、改善を相談したが変わらなかったため、複数人体制の職場を希望しています」と伝えれば、前向きな理由として受け取られやすいですよ。
辞めるか迷ったら、転職必要度を先に測る
判断に迷ったら、今すぐ転職が必要な状態かどうかを先に測ってみてください。
参考までに、厚生労働省の「一般職業紹介状況」(令和8年3月分)では、一般事務従事者の有効求人倍率は0.37倍(パートを含む常用)でした。
- 一般事務は、求人より応募者のほうが多い職種
- だからこそ、辞める前に続ける工夫と見抜き方を持っておく意味がある
10問で今の状態を整理できる転職必要度チェック(無料・10問)で、まず現在地を確かめてから決めても遅くありません。

数字は不安をあおるためではなく、準備の順番を決めるために見るものです。焦らなくて大丈夫ですよ。
次は一人事務を避けたい人へ|求人票の注意点と面接で見抜く3つ

「次は一人事務を避けたい」と思ったら、応募前に求人票と面接で見抜くことができます。
採用側で求人票を書いている立場から、見るところを3つに絞りました。
①求人票で見る3つ:事務の人数・募集理由・引き継ぎ期間
求人票を見るときは、「事務◯名体制」「募集理由」「引き継ぎ期間」の3つを探してください。
- 事務の人数:「事務◯名体制」「事務スタッフ◯名在籍」の記載があるか
- 募集理由:「増員」か「前任者退職のため」か(書いていなければ面接で聞く)
- 引き継ぎ期間:「前任者と1ヶ月の引き継ぎあり」など期間が明記されているか
3つとも書いていない求人票は、欠員補充の一人事務である可能性を頭に置いて応募すると、面接での質問が組み立てやすくなります。

「幅広い業務」「少数精鋭」「急募」が並ぶ求人票は、それ自体が悪いのではなく、面接で人数と募集理由を聞く合図だと思ってください。
②面接で聞く3問:人数・前任者の退職理由・引き継ぎ
面接では、人数・前任者の退職理由・引き継ぎの3つを聞いてください。
聞き方の型を用意したので、自分の言葉に直して使ってみてください。
- 「事務の方は現在何名いらっしゃいますか。入社後は何名体制になりますか」
- 「今回の募集は増員でしょうか、前任の方の退職に伴うものでしょうか。差し支えなければ、前任の方はどのくらい在籍されていましたか」
- 「引き継ぎは、どなたからどのくらいの期間で受けられますか」
採用側として聞かれても、この3問は失礼にはあたりません。
むしろ、仕事の中身を具体的に考えている人だと受け取っています。

前任者の退職理由なんて聞いていいんですか?

「差し支えなければ」を付けて聞けば大丈夫です。答えが濁される、在籍期間が短い、この2つが重なったら要注意ですよ。
求人票の読み方を項目ごとに確かめたい人は、15項目で判定できる無料診断も用意しています。
③環境を変えるなら|あなたの状況別の次の一歩
ここまで読んで、自分がどの段階か整理できたでしょうか。
状況別に、次に進むページをまとめました。
一人事務がつらい理由が「環境」なら、同じ事務職のまま複数人体制の職場に移る方法もあります。
事務職に強い転職サービス10社を、未経験向け・経験者向け・女性向けに比較しました。

辞めるか続けるかの2択で悩んでいたけど、「一人事務を避けて事務を続ける」道もあるんですね。

はい、3つ目の出口です。事務の仕事そのものが嫌でないなら、変えるのは職種ではなく体制のほうですよ。
一人事務によくある質問

一人事務で悩む人から届きやすい質問に、採用担当の立場で答えますね。
Q1. 一人事務がつらいと感じるのは甘えですか?
甘えではありません。
代替がいない、聞ける人がいない、山をひとりで越えるという構造は、誰が座っても同じようにつらくなります。
- 休んだ日の代わりが、会社側で決まっているか
- 分からないことを聞ける相手が、社内か社外にいるか
この2つが「ない」なら、つらさの原因はあなたではなく設計にあります。
Q2. 一人事務に向いてる人の特徴は?
自分で優先順位を決められる人、社外に相談先を作れる人は、一人事務でも安定して働けています。
- 頼まれごとの順番を自分で決めて、断るべきものを断れるか
- 分からないことを、税理士や本社など社外に聞きに行けるか
- 手順書を残す習慣があるか
逆に、確認してくれる人がいないと不安が強くなる人や、同僚との会話で元気が出る人は、複数人体制のほうが力を出しやすいです。
Q3. 一人事務で休めないときはどうすればいい?
まず、「休んだ日の代替」を上司に名前で決めてもらうことから始めてください。
- 止まると困る業務を3つに絞る(電話・入金確認・請求書など)
- その3つだけ、休んだ日の担当者を決めてもらう
- 手順書の日次1枚を、その担当者に渡しておく
有給は労働者の権利なので、「休んでいいか」ではなく「休んだ日の段取り」を相談する形にすると通りやすいです。
Q4. 一人事務は辞めたほうがいいですか?
改善要求→期限→判断の順を踏んでから決めるのをおすすめします。
- 体調に不調が出ている:判断より先に休むことと相談を優先
- 改善を求めても先送りが続いている:期限を決めて、環境を変える準備を始めてよい段階
- つらいのは山の時期だけ:山の時期に手を借りる仕組みを頼んでから判断
「次の人が決まるまで辞められない」と言われることもありますが、期間の定めのない雇用では、退職の申し出から2週間で退職できると民法で定められています。
就業規則に定めがある場合は、それに沿って引き継ぎ資料を残すと円満です。
Q5. 一人事務の求人を避けるには、どこに注意すればいい?
求人票では、事務の人数・募集理由・引き継ぎ期間の3つを探してください。
3つが書かれておらず、「幅広い業務」「少数精鋭」「急募」が並ぶ求人票は、欠員補充の一人事務である可能性を頭に置いておくと安心です。
- 事務は何名体制か
- 募集理由は増員か、欠員か
- 引き継ぎは誰から、どのくらいか
Q6. 一人経理も同じですか?
構造は同じで、責任の重さは一人事務より大きいことが多いです。
- 月次・年次の手順書に、顧問税理士への問い合わせ先を必ず書く
- 振込や支払いは「作る日」と「承認・送る日」を分けて、上司の承認を手順に入れる
経理には決算という大きな山があるので、決算期だけ税理士事務所や派遣に手を借りる設計かどうかも確かめてください。
Q7. 一人事務のメリットはありますか?
自分のペースで仕事を組み立てられる、人間関係の摩擦が少ないという点は、はっきりしたメリットです。
- 仕事の順番を自分で決められる
- 同僚との人間関係に悩む場面が少ない
- 経理・総務・労務まで幅広く経験できる
メリットが活きるのは「ひとりで足りる設計」の職場であって、欠員補充で無理をしている職場ではありません。

幅広く経験できることは、次の転職で強みになります。手順書を作った経験は、面接で話せる実績ですよ。
まとめ|つらさの正体は「設計」。動くなら求人票から

最後に、この記事のまとめです。
私も、同僚の退職や産休で事務が私ひとりになった時期を何度も通りました。
乗り切れたのは、優先順位を決めて、事務以外の人にお願いしたからです。

頑張って乗り切った経験は誇っていいです。同時に、その状態を長く続けなくていいように、今日から1つ手をつけてみてくださいね。
一人事務がつらい理由が「環境」なら、同じ事務職のまま複数人体制の職場に移る道があります。
事務職に強い転職サービス10社を比較したので、情報収集の入口に使ってください。
応募前に求人票を確かめたい人は、求人票チェック診断(無料・15項目)で不安を整理できます。
「事務に向いてないのかも」と感じている人は、こちらの記事も読んでみてください。

一人事務に限らず、事務職のきつさを原因別に整理したい人はこちらもどうぞ。


つらいのは私が弱いからだと思っていました。設計の問題だと分かって、少し楽になりました。

それが分かった今日が、立て直しの1日目です。まず、休んだ日の代替を1つ決めてもらうところから始めましょう。


