営業が辛いのは甘えじゃない|原因・対処法と事務職へ転職した体験談
「また今月も数字が届かないかもしれない」。
朝、会社に向かう足が重くなっていませんか。
先に結論を言いますね。
営業が辛いのは、あなたが弱いからでも甘えでもないのです。
私は3社目で営業として働き、ノルマと新規開拓に疲れて事務職へ転職しました。
今は採用担当として、営業経験者の応募書類を受け取る側にいます。
この記事では、営業が辛くなる本当の理由と対処法を、体験談を交えて解説します。
- 営業が辛いのは甘えではない理由
- 営業が辛くなる6つの瞬間チェックリスト
- 今日からできる対処法4つ
- 営業から事務職に転職した私の体験談
- 採用担当から見た営業経験者の強み

頑張っているつもりなのに、数字が出ないと全部を否定された気分になります。

その苦しさ、私も営業時代に経験しました。一緒に整理していきましょう。
営業が辛いのは甘えじゃない

まず、知ってほしい数字があります。
日本労働調査組合が営業職531人(20〜49歳)を対象に行った2021年の調査では、80.8%が「退職を考えている、または考えたことがある」と回答しました。
58.9%の人は、転職や独立に向けてすでに動き出しているという結果でした。
調査の対象や時期は限られますが、辞めたいと考えた経験がある人は珍しくないんです。
あなたが辛いと感じるのは、自然なことだと思いませんか。
- 営業の辛さは多くの人に共通する悩み
- 辛さには仕組みや環境も関係している
甘えという言葉で、自分を責める必要はありません。
辛さの背景には、本人の弱さではなく、成果が数字で示されやすいことや職場環境など複数の要因が関係しています。
このあと詳しく書きますね。

辛いのは自分の心が弱いせいだと思っていました。

「退職を考えたことがある」と回答した人が約8割でした。営業を辞めたいと考えた経験がある人は、決して珍しくないんです。
あなたはどれ?営業が辛くなる6つの瞬間

自分の辛さがどこから来ているのか、確認してみましょう。
- 毎月のノルマに追われて心が休まらない
- 飛び込みやテレアポが怖い
- 断られ続けて自分を否定された気分になる
- 同僚と成績を比較されて落ち込む
- お客様と会社の板挟みになっている
- このまま営業を続ける未来が見えない
当てはまる数より、辛さが続いている期間が大事です。
睡眠や食欲、仕事以外の生活に影響が出ていないかも、あわせて確認してみてください。
チェックの結果「転職したほうがいいのかな」と迷ったら、転職したほうがいい人診断で整理するのもおすすめです。
①きついノルマの数字に追われ続けている
営業の辛さの筆頭は、やはりノルマです。
ノルマがきついのは、達成しても翌月にはゼロに戻るからです。
どれだけ頑張っても、月が変わればまた振り出しに戻ります。
ゴールのないマラソンを走っているような感覚になりますよね。

ノルマの重さは金額だけでは決まりません。リセットされ続ける仕組みそのものが心を削るんです。
数字に追われる感覚が休日まで続くなら、要注意です。
②新規開拓の飛び込みやテレアポが苦しい
新規開拓は、営業のなかでも心の消耗が大きい仕事です。
会ったこともない相手に電話をかけ、訪問し、最初は警戒されるところから始まります。
迷惑がられる前提で話しかけ続けるのは、想像以上に神経を使います。
- 電話をかける前に手が止まってしまう
- 訪問先の前で深呼吸が必要になる
- 着信音を聞くだけで胃が痛くなる
このような状態は、心が発しているSOSです。
私も新規への営業が一番苦手でした。
③断られ続けて自分を否定された気分になる
営業は、仕事の性質上どうしても断られる回数が多くなります。
断られているのは商品や提案なのに、自分自身を拒絶されたように感じてしまうんですよね。

1日に何件も断られると、帰り道で涙が出そうになります。

断られた数はあなたの価値とは無関係です。頭では分かっていても、心が追いつかないのが普通ですよ。
真面目で誠実な人ほど、断られた理由を自分に探してしまいます。
④同僚と成績を比較されて落ち込む
営業成績は、グラフや表で社内に貼り出されることがあります。
朝礼で名前を読み上げられる会社もありますよね。
数字で順位が見える化される環境は、比較の苦しさを毎日突きつけてきます。
同期が先に達成すると、焦りと嫉妬で自分が嫌になることもあります。
その感情は人として自然なもので、性格の悪さではありません。
⑤お客様と会社の板挟みになっている
お客様のためを思う提案と、会社が求める数字が一致しないことがあります。
誠実でいたい気持ちと数字の圧力の間で、心が引き裂かれる瞬間です。
- お客様に必要ない商品を勧めたくない
- でも数字が足りないと上司に詰められる
- 自分が何のために働いているのか分からなくなる
誠実さを大切にする人ほど、この葛藤に苦しくなることがあります。
⑥このまま営業を続ける未来が見えない
「この働き方を10年後も続けられるだろうか」。
ふとした瞬間に、そんな不安がよぎりませんか。
体力勝負の外回り、数字のプレッシャー、生活の変化との両立。
将来の見えなさは現在の辛さを何倍にもします。

未来への不安には「今を変えたい」という気持ちが隠れていることもあります。あとで選択肢の整理の仕方を紹介しますね。
営業が辛くなる本当の理由|性格のせいだけではない

6つの瞬間に共通する根っこを、3つに整理します。
ここが分かると、自分を責める気持ちが軽くなりますよ。
理由①成果が数字で見えやすいから
営業は、成果が数字ではっきり見える仕事です。
職場によっては、数字が評価の中心になりやすい面があります。
一方で、行動量や提案の工夫など、過程も含めて評価する会社もあります。
数字が出ない月は、それまでの努力ごと消えたように感じてしまいます。
これは仕事の性質による部分が大きく、あなたの能力だけの問題ではありません。
理由②自分の努力だけでは結果が決まらないから
営業の結果には、自分では動かせない要素が絡みます。
- 担当エリアや引き継いだ顧客の質
- 商品の価格や競合の動き
- 景気やお客様側の予算事情
コントロールできない要素にも左右されるため、努力がすぐに結果へつながらないことがあります。

同じように動いても、売れる月と売れない月の差が激しくて混乱します。

結果が伸びない月があっても、すべてを自分の力不足と決めつけなくて大丈夫。商材や担当エリア、お客様の予算にも左右されるんですよ。
理由③頑張りの過程が評価されにくいから
訪問件数を増やしても、提案書を磨いても、数字にならなければ評価されにくい。
数字を重視する職場では、努力の過程が見えにくいことも、営業が辛くなる一因です。

面接で「営業が辛くて」と話す応募者は多いですが、責める気持ちにはなりません。書類に並んだ訪問件数や工夫の跡を見ると、むしろ努力できる人だと感じます。数字だけがその人の価値ではないと、選考する側も知っているんですよ。
辛さの原因を分けて捉えられれば、次は対処を考える番です。
今日からできる対処法4つ

今の職場にいながらできる対処法を4つ紹介します。
どれも道具は紙とペンくらいで、今日から始められますよ。
対処法①辛さを紙に書き出して正体を分ける
まずは、辛いと感じる場面を紙に書き出してみましょう。
書き出した内容を「仕事内容」「職場環境」「心身の状態」の3つに分けてみます。
書き出すだけで頭の中の霧が晴れて、漠然とした不安が具体的な課題に変わります。
- ノルマやテレアポが辛い→仕事内容
- 上司や評価方法が辛い→職場環境
- 眠れない・食欲がない→心身の状態
分類できると、次の一手が見えやすくなります。
対処法②数字以外の小さな目標を自分で決める
会社のノルマとは別に、自分だけの目標を持ちましょう。
「今日は3人に笑顔で挨拶する」くらい小さくて大丈夫です。
自分で決めた目標は自分の意思で達成できるので、心の栄養になります。

達成が運に左右される目標と、自分次第の目標を分けるのがコツです。後者を毎日1つ積み重ねましょう。
小さな達成感の積み重ねが、気持ちの支えになります。
対処法③信頼できる人に今の気持ちを話す
辛さは、言葉にすると気持ちを整理しやすくなることがあります。
家族、友人、社内の先輩、誰でも構いません。
話す相手がいるだけで心の逃げ場ができます。
アドバイスをもらうのが目的ではなく、聞いてもらうのが目的です。
「解決策はいらないから聞いてほしい」と先に伝えるのもおすすめですよ。
対処法④営業のやり方を1つだけ変えてみる
全部を変えようとせず、1つだけ実験してみましょう。
- トークの出だしを変えてみる
- 訪問の時間帯を変えてみる
- 先輩のやり方を1つ真似してみる
実験と思えば断られても検証データになるので、結果と自分の価値を切り分けやすくなります。
うまくいけば数字につながり、いかなくても発見が残ります。
結果にかかわらず、次に活かせる発見が残る工夫です。
営業を辞めたいときにやってはいけないNG行動3つ

辛さが積み重なると、視野が狭くなりがちです。
後悔につながりやすい行動を3つだけ覚えておいてください。
NG①勢いだけで退職届を出す
心身に大きな不調がなく働ける状態なら、勢いだけで退職を決める前に準備するのがおすすめです。
収入が途切れた状態での転職活動は、焦りから条件の妥協を招きやすいからです。
辞めること自体は悪くありません。
順番として、在職中に準備を整えてからのほうが選択肢を広く持てます。

退職を決める前に、生活費の把握と転職市場の下調べだけは済ませておきましょう。準備が心の余裕になります。
NG②限界まで我慢し続ける
「みんな頑張っているから」と我慢を重ねるのも危険です。
眠れない日が続く、食欲がない、涙が止まらない。
そんな状態が続くなら、我慢よりも先に専門家を頼る段階です。
心身の不調を感じたら、医療機関や会社の相談窓口に早めに相談してください。
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人向けの電話・SNS・メール相談を無料で利用できます。
体と心はあなたの資本で、仕事より大切なものです。
NG③疲れ切った状態のまま転職活動を始める
心が消耗しきった状態での転職活動も、あまりおすすめしません。
疲れていると視野が狭くなり、「どこでもいいから逃げたい」と決めてしまいがちだからです。
まずはしっかり休む。少し回復してから、対処法①の書き出しで辛さの正体を整理する。
そのうえで動き出すと、次の職場選びの精度が上がります。
急がば回れ、です。
私が営業を辞めて事務職に転職した話

ここからは、私自身の話をさせてください。
同じ道を通った一人の記録として、参考になればうれしいです。
3社目の私は数字を追う毎日でした
私の3社目の仕事は営業職でした。
毎月の数字を追いかける日々で、辛かったのはノルマと新規のお客様への営業です。
月末が近づくたびに、数字と自分の心を見比べていました。
いちばんきつかったのは、成果を上げられていない月末です。
「行ってきます」と会社を出るものの、契約できるあてはどこにもありません。
定時前にしょんぼり帰ってきて、上司に結果を聞かれる。
その繰り返しを3年半続けて、限界になって辞めました。
いま振り返っても、頑張りが数字に届かない月の苦しさは忘れられません。
未経験のまま事務職への転職を決めました
悩んだ末に、私は4社目で未経験の事務職に転職しました。
営業の経験しかない自分に事務が務まるのか、不安はありました。
実は、事務の仕事には前から就きたい気持ちがありました。
営業を続けるなかで、この仕事の大変さと、自分には向いていないことがはっきり分かったんです。
それでも「数字に追われない働き方を選びたい」という気持ちが勝ちました。
営業が悪いのではなく、私には合わなかった。
今はそう整理しています。
営業を辞めてよかった|後悔は一度もありません
結論から言うと、辞めたことへの後悔は一度もありません。
そして意外だったのは、営業経験が事務の仕事で強みになっていることです。
電話応対、社内外との調整、相手の要望をくみ取る力。
営業で身についた力は、事務の現場で毎日活きています。
私の場合は、誰と話すときも堂々と物怖じしなくなりました。
いまは事務ですが、会社で必要があれば営業にも出られますし、実際に時々しています。
電話で要望を聞き取るヒアリングの力も、営業時代に身についたものです。
転職活動をしていて感じたのですが、営業経験は高く評価されます。
「アクティブな人」という印象を持ってもらえるんです。

あの辛かった日々は無駄ではありませんでした。場所を変えたら、同じ経験が強みと呼ばれるようになったんです。
それでも辛いなら|環境・やり方・職種を変える3つの選択肢

対処法を試しても辛さが変わらないなら、環境を変える準備を始めてもいい頃です。
転職をすぐ決める必要はなく、選択肢を知るだけでも心は軽くなりますよ。
辛さの原因別に、考えられる道を整理しました。
事務職への転職はこの中の一つの道で、私が選んだ道でもあります。このあと詳しく紹介しますね。
営業経験は調整業務の多い事務職で強みになる
採用する側の視点から、正直に伝えます。
営業経験は、調整ごとの多い事務職で強みになりやすいです。
営業事務やカスタマーサポートなど、社内外とのやりとりが多い職種では特に評価されることがあります。
- 電話応対や来客対応への抵抗が少ない
- 数字やスケジュールの管理に慣れている
- 断られても動き続けた行動力が伝わる
事務職は人気が高く、競争率も高い職種です。
だからこそ、営業で培った力を応募先の仕事に結びつけて伝えることが、評価を左右するポイントになります。
営業経験を事務職の言葉に置き換えると、こうなります。
職務経歴書の例文
営業職として顧客の要望を聞き取り、見積書の作成や納期調整まで担当しました。関係部署と進捗を共有し、認識のずれを防ぎながら案件を進めた経験は、営業事務でも活かせると考えています。

私の場合、書類に営業経験があると「電話や調整に慣れている方かな」と期待しながら読み始めます。応募先の業務で活かせる経験が具体的に書いてあると、さらに印象に残りますよ。
転職の軸を整理することから始めましょう
いきなり求人に応募する前に、自分の「譲れない条件」を整理しましょう。
何から逃げたいのかと、何を大切にしたいのかは別物だからです。
1分・10問・登録不要でできる診断を用意しているので、頭の整理に使ってみてください。

軸が見えたら、次は情報収集です。
事務職に強い転職エージェントを比較した記事も参考になりますよ。

登録するかどうかは、記事を読んでからゆっくり決めれば大丈夫です。
営業が辛いときのよくある質問

最後に、営業が辛いときによくある質問に答えます。
気になるところだけ読んでも大丈夫ですよ。
Q1. 営業が辛いと感じるのは甘えですか?
甘えではありません。
営業職531人を対象にした2021年の調査では、約8割が退職を考えた経験があると回答しています。
調査対象や時期は限られますが、営業を辞めたいと悩むことは珍しくありません。
自分を責めるより、辛さの原因がどこから来ているのか分けて考えてみてください。
Q2. 営業に向いてない人の特徴はありますか?
向き不向きを、性格だけで決めるのは難しいです。
- 新規開拓の連続で消耗している
- 個人ノルマの重さで消耗している
- 成績の比較や競争で消耗している
どの業務で消耗しているかで、次の選び方が変わるんです。
新規営業が辛くても、既存顧客中心やチームで進める営業なら経験が活きる場合もありますよ。
Q3. 営業を辞めたいとき、タイミングはいつがいいですか?
心身の不調が出ているなら、時期を選ばず相談・行動を優先してください。
そうでなければ、在職中に準備を整えてから動くのが安全です。
賞与の支給時期や繁忙期を避けると、引き継ぎもスムーズになります。
準備とは、貯金の確認・職務経歴の棚卸し・情報収集の3つです。
Q4. 営業から未経験で事務職への転職は難しいですか?
簡単ではありませんが、十分に狙えます。
事務職は未経験だと難しいと言われるのは、人気が高く競争率が上がりやすいからです。
一方で営業経験は事務の選考でプラスに働く材料になります。
電話応対・調整力・数字の管理を職務経歴書で具体的に書くのが突破のコツです。
Q5. 営業事務はきついですか?営業との違いを教えてください
営業事務は、営業担当を書類や受発注でサポートする仕事です。
個人の売上ノルマを持たない求人が多い一方、会社によっては対応件数などの目標が設けられる場合もあります。
営業部門の繁忙に連動して忙しくなる点も知っておきたいところです。
数字を背負う辛さと業務量の忙しさは別物です。
きついの種類が違うので、自分がどちらを避けたいのかで選んでください。
Q6. 女性ならではの営業の辛さはありますか?
お客様との距離感の取り方に気を使う場面や、外見に触れられる居心地の悪さは、よく聞く悩みです。
妊娠・育児などのライフイベントと、外回りや会食の両立に不安を感じる方も多いですね。
誰にも相談できずに抱え込むのが一番危険です。
同じ経験を持つ先輩や社外の相談先に、早めに話してみてください。
Q7. 営業の経験は辞めたら無駄になりますか?
無駄になりません。
私自身、営業で身につけた力を事務の仕事で毎日使っています。
対人力・行動力・数字への感覚は持ち運べるスキルです。
辞めた瞬間に消えるものではないので、安心してください。
まとめ|営業が辛い自分を責めなくていい

営業が辛いのは、あなたが弱いからでも甘えでもありません。
数字を重視する評価方法や職場環境が、負担を大きくしている可能性があります。
眠れない、食べられないなどの不調があるときは、対処法より休養と相談を優先してください。
そうでなければ、まずは辛さを書き出して、自分で変えられる部分と環境を変える部分を整理してみましょう。
それでも辛いなら、環境を変える準備を始めていい頃です。
営業で頑張ってきた経験は、場所を変えれば強みに変わります。

今の自分に必要なのが、休養なのか整理なのか、まず確認してみます。

その一歩が踏み出せたら十分です。あなたのペースで、あなたに合う場所を探していきましょう。
転職を考え始めたら、退職理由の伝え方も気になりますよね。
面接で好印象につながる伝え方をまとめた記事も、合わせてどうぞ。

あなたの毎日が、少しでも軽くなりますように。


